2011-07-24

夜は短し歩けよ乙女 / 森見登美彦



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夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
森見 登美彦
角川グループパブリッシング 2008-12-25
評価

感想


よ、読み終わった…!読書メーターに「今読んでいる本」として登録したときにチラッと皆さんの感想を覗いたら、何やら森見登美彦さんの文章は独特らしいのですね。森見さんの小説を読むのは初めてで、なんとなく表紙に釣られて買った本だったので内心ドキッ。読めなかったらどうしよう…って;

読んでみると文章は確かに独特でしたがオモチロイ。乙女はかわいらしく、先輩は悩ましく。それよりも世界観に馴染めず・把握できず参ってしまいました。現代の京都が舞台のお話かと思いきや、唐突にファンタジーっぽい要素(三階建電車・我慢大会・天狗な樋口さん)が出てくるので戸惑いました。2章までは「この話にファンタジー要素はいらないだろう、キャラクターや文章が十分おもしろいんだし」とさえ思いました。こんなに馴染めないなんて自分も大概頭固いんだなとガッカリもしました; でも読み進めると3章は不思議世界観でなく、それはそれで一味足りない。4章では「いやこれはファンタジー要素があっていいんだ!」と思いました。4章がお気に入りです。

私を悩ませた原因の一人、天狗な樋口さんも4章にして宙を舞う秘密を教えてくれます。 (ネタバレかもしれないので未読の方注意!)
学生天狗樋口氏の教えは、これ以上ないぐらい曖昧であった。彼は知り合いの古本屋の家へ上がりこみ、勝手に物干し台まで出ると、空を指しながら私に言った。
「地に足をつけずに生きることだ。それなら飛べる」
まったく馬鹿にしていると思いながら、「ある日実家の裏山を掘っていたら石油が出て大儲け、億万長者となって大学中退、以後死ぬまで楽しく暮らす」と地に足をつけない将来のビジョンを思い描いてみたところ、身体はみるみる軽くなり、ふわりと物干し台から浮かび上がっていた。(P300)

そうか!地に足をつけないんだ、だから宙を…!すっごくスッキリ。樋口さんが樋口さんのようなキャラなのも、地に足をつけてなかったからなんだなぁと納得。樋口さんが好きになりましたし、他の不思議要素も許せ(?)ました。

読了までに一週間。体感でいつものペースの2倍・3倍かかったこの本ですが、読書中苦しんだだけではありません。おいしくお酒をいただきたくなりましたし、古本市に行ったり、象の尻をなでたり、冬には風邪(人恋しい病?)で寝込むのも魅力的に思えたりして、しっかり影響を受けましたw

引用


彼女は文庫本を手にして無闇に熱心に読んでいる。本を読んでいる姿が魅力的なのは、その本に惚れ込んでいるからに違いない。恋する乙女は美しいという。(P82

「それで、あの子とは何か進展あったの?」「着実に外堀は埋めている」「外堀埋めすぎだろ? いつまで埋める気だ。林檎の木を植えて、小屋でも建てて住むつもりか?」「石橋を叩きすぎて打ち壊すぐらいの慎重さが必要だからな」「違うね。君は、埋め立てた外堀で暢気に暮らしてるのが好きなのさ。本丸へ突入して、撃退されるのが怖いからね」「本質をつくのはよせ」(P159


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